前回はこちらから。
パリ2日目。前日は21時には就寝し、朝5時までぐっすりでした。
宿の朝食は朝6時から。宿の価格帯的にあまり期待してなかったのだけど、朝食会場は焼き立てパンの香りが漂い、スクランブルエッグやヨーグルトに加えてラテメニューもあるコーヒーマシンが置かれていて、THEホテルの朝食メニューが一通り揃っていた。自己サーブ式。テラス席の澄んだ空気の中いただくクロワッサンは控えめに言って「目の覚めるようなおいしさ」。移動距離を除けばホント非の打ち所がない宿で満足度が高かった。
朝食後部屋に戻り、TVをつけてぼちぼち身支度。異国のテレビって何見ても面白いんですよね。何を言ってるのかはわからなくてもなんの番組なのかとかどんなテンションなのかはわかるじゃないですか。朝からニュース番組のテンションが高い。テレビのハイテンションを浴びつつエンジンがかかるまでぼちぼち身支度。
今日の予定はある重要ミッションの完遂。花の都パリはあちらもこちらも超有名な観光地だらけだけど、これだけは外せない「せめてこれだけは絶対に見たい!」なものがあった。
しっかしルーブルは全観光客の目的地になっているので、当日予約が取れなかった。パリ滞在時間はあるから今日でなくてもいいのだけど、ミッション達成はできるだけ早いほうがいい。とにかく今すぐに行きたい!近くまで行けばなんとかなるやろ(ならんかも)の精神で今日も元気よく宿を飛び出す。
おなじみRER B線で市内へ。2日目にしてようやくある程度雰囲気にも慣れて写真を撮る気になった。
午前はぶらぶら散策。街中でのスマホ地図確認を最小限にしたくて、事前に地図を頭の中に叩き込んだのだけど、パリは道が覚えやすくて助かった。
今日は「Saint-Michel Notre-Dame」駅から街歩きスタート。少し前に火事で燃えてしまい再建中のノートルダム大聖堂を目指す。
ノートルダム大聖堂を離れて近くをぶらぶら散歩。平日の朝は人通り少ないように感じた。
(お仕事中にすみません…あまりにもきれいな庭園だったので撮らせていただきました。)
こんなところにブックオフ。本当に驚きました。古書店が大好きな私としては入らないわけには行きません。
店内はちゃんとブックオフでした。並んでいる本がぜーんぶフランス語であることを除けば…(?)
ルーブルの近くでは武装した警官を頻繁に見かけた。暴動発生直後の不安定な情勢を反映してか、街の至る所で警備が厳重。
カメラはとても向けられなかったが、自動小銃を抱えた軍人もいた。といって周囲が緊張している様子は全くなくて、むしろ軍に守られてる安心感からか、逆説的に平和な昼下がりの趣だった。力こそが正義なんだろうか、私が日本で見ている日常とは違いすぎていた。
ルーブル美術館、到着。あたりを見ると当日券は4時間待ちの列。ナンテコッター
今日は予約が取れなかったので外観チェックだけのつもりだった。しかし眺めているうちになんとしても入りたくなり、渋々4時間待ちの列に並び始める私。
しかししかし往生際悪くスマホでルーブルのチケット情報をチェックしていると…なんと1時間後の枠に空きがあるのを発見してしまったではないか?!!! キャンセルが出たのかもしれない(?)。秒で予約完了し、4時間待ちから即離脱。
(こんな簡単にキャンセル待ちに滑り込めた…? えっじゃあこの4時間待ちの列は一体…?)という疑念で頭の中はハテナだらけだったけど、とりあえずルーブルに入れそうな運びとなり内心小躍り。ヤッター。
パリのお花屋さんってほんとーーーに色使いが素敵で。カラフルなだけがお花屋さんじゃないんだなって。
時間が来たのでルーブルに戻る。4時間待ちの列はまだ平然とそこに…(恐怖)
入場列に10分ほど並び、やっと入れた。とにかく、人、人、人。友人の話ではスリが結構いるらしい。そもそもこんな人混みじゃ360度気を抜けない…
間近に見る『サモトラケのニケ』。ディテールの作り込み(というかもはや描き込み?)が素晴らしく、これが紀元前に作られた(諸説あり)だなんて。未来人が紀元前に3Dプリンターを持ち込んでぱぱっと作りました、って22世紀の猫型ロボットに言われたらきっと信じてしまう精度。布のヒダに注目。
レオナルド・ダ・ヴィンチの作品が並ぶエリアに来た。
赤い服の女性の肖像画に度肝を抜かれてしまった。あのぅ、板に油彩でつまり油絵らしいんですけれど、筆跡が一切ないのは…? まるでCGを見ている気分。Wikipediaによると製作年は1490年 - 1496年。やはり未来人が…(略)
この射抜くような瞳と視線の鋭さ。描かれて以後の何百年にもわたって見た人全員に強烈な印象を残してきたんだろうな。
こっこれが『モナ・リザ』…! (現地では「La Joconde」と呼ばれる。)
小さい。すごく小さい絵。いや、絵から遠いから小さく感じるだけ? それにしてもこんなにすごく小さい絵が防弾ガラスで守られていて、国家予算以上の価値があって、というか値段がつけられないほどで、観客用通路からはディテールが良く見えないしみ~んなセルフィー撮ってるしなんだか色々よくわかんないけどとにかくとてつもなくすごそうな絵だ!!!!
絵が放つ並々ならぬ名作オーラ。目で見た率直な感想は「なんだかよくわかんないけどとにかくすごそう」。それ以外になかった…小学生並みの感想ですけれど 笑。というのも実際は、モナ・リザの正面は観客でひしめき合っていて、写真のベストアングルを探るので精一杯。1~2分ほどで係員さんが「もう写真が取れたからいいでしょ、メルシー! さあ行って行って!」と皆を追い払うのだった。そしてまた後ろからは長蛇の列が更新されていく。
かくしてモナ・リザとの対面はあっけなく終了。あまりにも忙しなく、じっくり鑑賞する暇なんてまったくなかった。教科書で見るモナ・リザの方がよっぽどじっくり鑑賞できたなーなんて。
なにはともあれ見れたからよしとしますか。自分の目で見ることに意味があると信じ、今日の任務は達成。ああ疲れた。
残りの時間は広大なルーブル美術館探索に費やす。もうすでに2時間は歩き回ったか、腰と脚がそろそろ限界。半日じゃ回りきれないという噂はほんとうだった。
ヒエログリフってiPhoneの絵文字に慣れた現代人が見るとなんだか妙に親しみやすさを覚えることがあるような…?
古代のアクセサリーの展示エリア。金って本当に二千年以上経っても酸化せずに金ピカ金のままなのですねえ。知識としてはそれを知っていても間近で一点のくもりもない黄金の光沢を見ると、古代から金が権力者に好まれてきた理由がわかる。
このあたりで時間切れ。閉館時刻になったためいそいそと退出します。このとき夜7時くらいなんですが、外は明るくて正午過ぎのような感じ。
帰ろうとしたらすごく強引なインド人に呼び止められて、満面の笑みで「写真を撮ってくれませんか?」。無視してたら前に回り込まれ、睨んだら「写真を…(略)」。さらにもう1回同じムーブを繰り返されてついに折れた。親切にもピラミッドを背景に彼と奥さんのベストショットを撮ってあげる。「もっとピラミッドの全体が写るように取り直して」。なんて要求が過大なんだ。
やっと満足いく一枚が取れたらしく、「ありがとう、あなたの一日が素敵になりますように」と言うなりすぐに彼らは去っていった。動きに無駄のない人たちだ…。
歩き回って疲れたので、近くのカフェで休憩。
「モナ・リザカクテル」あまり期待してなかったのに(なんかいかにも名前にあやかったって感じするじゃないですか~)、めっちゃ美味しくて感激だった。シャンパン+アマレット+オレンジの組み合わせ。飾りの果物の名前がわからなくて店員さんに聞いたら「physalis: ホウズキ」と教えてくれた。ごちそうさまでした。
RER B線で宿に帰宅(?)。2日めにしてやっと車内でカメラを取り出す勇気が出た。事前情報にビビリすぎたかも。とはいえやっぱ振り返ると今回の旅で一番thugな感じ漂う車内の雰囲気だった。次に訪れるときがあれば利用は最小限にしたいかもしれない。
空港のコンビニでShaki Shakiサラダを買って帰る。それと2往復分のRER B線切符。これで見納めです。
今日はこの辺で。まだまだパリ散策は続きます。