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私の好きなトピックについて気ままにつづるブログです。洋楽の歌詞和訳や映画の話など。

【歌詞和訳】あなたが私のものでないとしたら Clean Bandit - Baby (feat. Marina & Luis Fonsi)


Clean Bandit - Baby (feat. Marina & Luis Fonsi) [Official Video]

 

Clean Bandit - Baby (feat. Marina & Luis Fonsi)

from the album "What Is Love?" (2018)

 

 

女性(英語)パート:Marina

男性(スペイン語)パート:Luis Fonsi ※本記事では「女性の元恋人」によって歌われたものと解釈しています。

 

Sé que te gusto a ti todavía
Tres, dos, uno

あなたがまだ私のことを好きなのは知ってる

3,2,1


Standing here in an empty room
I saw you there, and my blood ran cold
Take me back to that long September
Don't know how I ever let you go
I was young, didn't know 'bout love
You were wild, couldn't get enough
Gave my heart to another lover
Don't know how I ever let you go

空っぽの部屋に立っている私*1

そこにいるあなたを見つけて立ち尽くしたの

あの長かった9月に私を連れて帰って

どうしてあなたを手放したのかわからないよ

私は若くて、愛がなんなのかわかっていなかった

あなたは奔放だったし、満たされることを知らなかった

だから私はほかの人に目移りしてしまった

どうしてあなたを手放したのかもわからないままに


Find me in another place and time
If only, if only you were mine
But I'm already someone else's baby

私を別の場所、別の時に見つけてくれないかしら

もし、本当にもしも、あなたが私を好きだったのなら

でも私はもう…誰かのベイビーになっちゃった


Guess I had my last chance
And now this is our last dance
You fell through the cracks in my hands
Hard to say it's over
But I'm already someone else's (C'mon)

これがきっと最後のチャンスね*2

そしてこれが私たちの最後のダンス

あなたは私の手からこぼれ落ちていってしまった

これでおしまいなんて本当は言いたくないけれど

私はもう…誰かのベイビーになってしまった(さあ)

 

Baby, ah
Baby, ah
Baby, ah
I'm already someone else's

ベイビー♪♪

私はもう…誰かの


All caught up in the way we were
I feel your hands getting close to mine
Don't say the words that I love to hear
The beat goes on and I close my eyes
I was young, didn't know 'bout love
You were wild, couldn't get enough
Let's leave things the way they were
You'll stay with me like a lullaby

私たちがかつてそうだったように

あなたの手が私の手に重なるのを感じる

私が聞きたがっているあの言葉は言わないで

ビートに合わせて私はただ目を閉じる

私は若くて、愛がなんなのかわかっていなかった

あなたの奔放な一面、満たされることを知らなくて

思い出は思い出のままにしておきましょう

あなたは子守歌のようにこれからも私のそばにいるわ


Hey
Sé que te gusto a ti todavía por mucho que digas
Además puedo ver en tus ojos que no sólo quieres quedar como amigos
Tienes mi corazón, eres mi obsesión
Soy tuyo pa' siempre

ねえ

あなたが何と言おうとまだ私を好きなことを知ってるよ

目を見ればわかるもの、ただの友達でいるのは嫌だって

私の心をとらえて離さない、私は永遠にあなたのものなの


Guess I had my last chance
And now this is our last dance
You fell through the cracks in my hands
Tell myself be stronger
My heart's like a rubber band
And it's such a shame
You'll always be the one who got away
We both know that deep down you feel the same
Hard to say it's over
But I'm already someone else's (C'mon)

これがきっと最後の「偶然」の出会い*3

そしてこれが私たちの最後のダンス

あなたは私の手からこぼれ落ちていってしまった

強くなれって自分に言い聞かせてる

私の心は輪ゴムみたいに簡単に形が変わるの

本当に残念としか言いようがないわ

あなたはこれからずっと私のもとを去ってしまった誰かになってしまう

二人とも心の奥深くでは同じ気持ちだって知っているのにね

これでおしまいなんて本当は言いたくないけれど

私はもう…誰かのベイビーになってしまった(さあ)


Baby, ah

ベイビー♪♪

Eso no es amor

それは愛とは言わない

 

Baby, ah

ベイビー♪♪

 Mereces mejor, yeah

君にはもっとふさわしい人がいる


Baby, ah

ベイビー♪♪

Quiero tu calor

そばにいてほしいよ


I'm already someone else's

私はもう…誰かのものになっちゃった 


Wish I met you at another place and time
If only, if only you were mine
This love story ends for you and I
'Cause I'm already someone else's

あなたと別の場所、別の時に出会えたらよかったのに

もし、本当にもしも、あなたが私のものだったというのなら

あなたと私のラブストーリーはこうして終わるの

だって私はもう…誰かのベイビーになっちゃったから

 

Baby, ah

ベイビー♪♪


Y lo digo otra vez
Mereces mucho mejor, mucho mejor
Lo que tienes con él (Con él) no es amor, no

もう一度だけ言う

君にはもっとふさわしい人がいる

その彼との間にあるのは愛じゃない


I'm already someone else's
Baby, ah

私はもう…誰かのベイビーになっちゃった

ベイビー♪♪

 

Cada noche más te extraño, cada día sin ti me hace daño
Sabes que mereces mejor, lo que sientes por él ya no es amor
Por mucho que digas somos más que amigos

毎晩どんどん君が恋しくなる 君がいない毎日に耐えられない

君にはもっといいひとがいるって知ってるはずだよ その彼との間にあるのは愛じゃない

私たちがただの友達じゃないっていうのと同じようにね

 

I'm already someone else's

私はもう…誰かの
Y el tiempo se acaba en cuatro, tres, dos, uno

さあ、もう時間が切れるよ 4,3,2,1

 

この曲の解釈はMVを見る/見ないによって変わってきそうです。私ははじめMVを見ずにアルバム曲を聴いて、結婚式場で昔の恋人に略奪される花嫁を想像しました。ところが、MVでは主人公をClean Banditチェロ担当Graceが演じ、なんと彼女には女性の元恋人がいるではありませんか!(確かによくよく歌詞を見てみるとLuisのパートが男性の元恋人によるものである確証はどこにもありませんでした。)

後から振り返ってみると本当に愛していた人だったのに、一緒にいたときにはそれが愛だとわかっていなかった。普通の異性愛者として結婚しようとしている自分の前にいる男性は、本当に愛している人ではない。そのことに気づいてしまった女性が主人公のMVでした。

サマーキャンプ中、本当に幸せそうだった二人の様子のあとの結婚式のシーンが切ない。

 

歌詞からは結婚式場で偶然に再開することになり、「最後のダンス」をする二人の様子が想像できますが、MVではもう少し違った情景の描かれ方でした。

主人公の女性の結婚式に元恋人は(おそらく)実際には出席していないものの、主人公が彼女を思うあまりにその場にいないはずの彼女の姿を(おそらくは幻覚で)見ているところからMVは始まります。元恋人は真っ赤なドレスで、指輪を交換しようとする新郎新婦の前に現れ、二人一組になって踊っている来場客たちの間を、誰ともペアを組むことなくただ一人で踊っている姿を彼女は見ます。

元恋人が一人で踊っているシーンは、主人公の女性の心の中にある「自分を失った後の元恋人の姿」の投影ではないでしょうか。本心ではひかれあっている二人であるにもかかわらず、自分(主人公)の選択によって引き裂かれてしまった関係。その結果、元恋人はダンスの相手を失ったまま踊り続けているのでしょう。その片割れが誰なのかを主人公はもちろん知っている。

 

以上、私の大大大好きなClean Banditの曲の中から特に好きな一曲についての和訳と個人的な考察でした。

  

なお、冒頭にも書いたように、本記事ではLuis Fonsiによるパートを女性の元恋人によって歌われたものと解釈して和訳しましたし・か・し・ながら、男性であると解釈しても「大変エモい」、一度で二度おいしい歌詞だったのではないかと思います!

こんな風に誰かに思われてみたいデスネ…。笑

最後のカウントダウンなどはまさに理性と本能のせめぎあいを言葉にしたようです。はじめLuisの声で聴いていた私は、カウントダウンが0になると同時に本当に好きな相手の手をとって結婚式場を二人で逃げ出すシーンが頭に浮かびました。(ラブストーリーで定番中の定番「100%エモいとされるシチュエーション」ではないですか?!)

 

Luis Fonsiといえばこちらの曲が超有名(Youtubeでなんと70億回再生)ですが、声が本当にセクシー。プエルトリコ出身のシンガーソングライターの方だそうです。これからも注目していきたいです。

youtu.be

 

 

↓MVを見て真っ先に下記の作品を思い起こしました。本作でも女性同士の愛の交流が描かれています。2017年にノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロによる初期(2005年)の作品です。こちらもよければぜひ!

 

 

 ここまでお読みいただきありがとうございました。

 

*1:主人公の女性は結婚式場に立っていて、たくさんの参列者に見守られながら、これからまさに結婚相手となる男性に永遠の愛を誓おうとする場面でMVは始まります。しかし、彼女は本心から愛しているわけではない相手と結婚しようとしている虚しさから、「愛する二人」を見つめる周りの期待に満ちた表情に空虚なものを感じ、本当の自分を知る存在がこの場所には誰もいないことをこのように形容しているのだと推察しました。そして次の場面で(おそらくは幻覚である)昔の恋人(女性)の姿を見ます。

*2:ところでこの「チャンス」、本心では愛している元恋人と「偶然の出会い」を装って「最後のダンス」を始める場面のようにも私には思えました。そうだとしたら非常にエモくないでしょうか…。いやエモいですね!

*3:脚注2に書いた解釈を捨てきれず…笑、同じ歌詞ですが、和訳はこのように変えてみました。