other voices

私の好きなトピックについて気ままにつづるブログです。洋楽の歌詞和訳や映画の話など。

【2023.夏】ふらっと欧州一人旅 4 パリ…不愉快と親切を同時に浴びる街

 

after-tonight.hatenablog.com

 

去年の夏の旅行記を書き終わるのは一体いつになるのか書いている本人が一番心配になりつつも4回目。

 

はじめのホテルをチェックアウトし、市内(結構郊外)に移動する。

 

とても日本推しだったホテルのエントランス

 

市内にはRER B線で行くか迷ったのだけど、スーツケースに加えて7kg近いリュックで大荷物だったのと、ホテル前のバスから目的地へ行くほうが乗換が少なく簡単そうに見えたのでバスを利用することにした。

・・・のだけど、このとき利用した「Bobigny Pablo Picasso(ボビニー=パブロ・ピカソ駅)」行きのバス車内はRER B線とあまり変わらない雰囲気でやはりどことなくThugな感じ。私は隅っこの席に陣取って目立たないようにしていた。

地図によると駅周辺には政府系の建物がありビジネス街をイメージしていたのだけど、いざ降り立ってみると、駅の周辺は小便臭がいたるところからし、手ぶらで訳もなく周囲を物色している様子の兄ちゃんもチラホラいて、なんというかあんまり長居したくない雰囲気。見たところ街ゆく人たちは移民系が7~8割、アジア系は全く見かけない。大荷物だった私は目立っていたはず…。一刻も早く駅を離れたくて、乗換のメトロ入り口を探す…がぜ~んぜん視界に入ってこなくて焦る。事前に地図を頭に入れたはずなのに周りのthugな雰囲気に圧倒されたのか何も思い出せない。

バス停から駅入り口が徒歩10分以上も離れてるはずはないのに、メトロ入り口が見つからなくて見知らぬ地で10分さまよう。これは参った。ホントに。このままでは自分自身のおバカが原因で不測の事態に巻き込まれてしまうかも…とかなり焦り始める私。脇道で目立たないようにスマホチェック、地図アプリ起動、メトロ入り口のどでかい「M」マークが目と鼻の先にあるのを発見。事なきを得た…。冷静さを失ったとき、敵に回るのは自分自身だと思い知る。セルフコントロール

Googleストリートビューで見るともうそれはとてもわっかりやすい位置にメトロの入口がある…。あのときの自分、テンパりすぎ。焦りすぎ。

 

メトロ5番線。改札まで小走りで向かう。改札機の調子が微妙に悪いらしく、ナヴィゴ(地下鉄の回数券)をタッチしても改札が開かず「あれ?あれ?」となっていたら、後ろからアフリカ系の兄ちゃんがすすっ…と現れて、自分のパスで改札を通してくれた。焦っててしっかり声が出てたかわかんないけど「Merci」とお礼して、無事に構内に入ることができた。

電車を待ってるとき、あのお兄さんが持っていたのが水色の回数券タイプのナヴィゴ・イージーだったことを思い出し、「回数券1回分を見ず知らずの私にくれたんだ」と遅れて気がついて、そのさりげない親切にいたく感動してしまった。ほんとにありがとう、あのときのアフリカ系のお兄さん。もう名前も顔も知る機会は永遠にないのかもしれないけれど…忘れないと思う。

5番線車内の雰囲気はなんというか殺伐とした感じ。常に周囲を警戒しながら時間を過ごす。物乞いのおばあさんが乗り込んできて乗客に金銭をせびる。みんな慣れっこの様子であまり成果はかんばしくなさそう。メトロ車内で財布を取り出すわけにもいかず、私もなるべく目を合わせないようにするしかなく。こういうことは日常茶飯事なのか、地下鉄では度々このような乗客を目にした。

この次に乗り換えた12番線でも、おじさんが車内に乗り込んできて乗客に向かって悲壮な様子でスピーチ。かろうじて聞き取れたフランス語でなにやらの理由で働けず金銭を恵んでほしいとの由…。乗客の数人はコインを渡していた。

 

7月のハイシーズンにパリ市内にホテルは取れず、またしても少し移動時間をかけて郊外に手頃なホテルを取った。イシー=レ=ムリノー (Issy-les-Moulineaux)駅。ここはパリの下町という雰囲気で居心地が良かった。

ホテルの部屋の準備を待っている間、空腹が限界になり駅前のビストロ店でひとりランチ。隣席のマダムに挨拶し、表通りが見える位置に着席。

座って一息ついたもののすぐに「メニューが全部フランス語で何がなんだかわからないわ~聞くしかないわ~」となり、店員さんに身振り手振りでメニューを解説してもらい、その日のおすすめの魚料理とチップス(ポテトフライ)を注文する。ついでに赤ワインも。第3外国語でかじったフランス語(難しくて半年で断念…)が役に立つ日が来るとはね😄 講義で先生に叩き込まれた「けすくせ~(Qu'est-ce que c'est)」のフレーズがちゃんと使えたことにひとり感動でした。

隣席の地元マダムにちょっと挨拶したら、フランス語で返してくれて何を言ってるのかわかんなかったけど、声の調子と表情から何かすごく愛でられたような感じで、嬉しくなる…。

この日のメインは白身魚

 

時間も予算も限られる一人旅で一番奮発したランチになった。楽しおいし最高でした~。

 

2軒目のホテルの窓からの風景

ランチから戻るとホテルの部屋が準備完了。ホテルはなんというかハイシーズンに手頃なお値段で取れたなんというかお値段なりのお部屋。内装は結構年季が入ってる。つまりそれなりということですね。と納得しかけたところ…

部屋のテレビ(重要)がつかない!!安いから仕方ないのか!!と憤慨する気持ちを抑えてすぐにフロントに駆け込むと何やら「No~」と言われたが「今日は革命記念日だから絶対に中継をテレビで見なければならない!!せっかくパリに来たんだから以下略」と主張しまくり拝み倒す。しばらくして職員の兄ちゃんを送ってくれ、テレビは無事についた。あ~よかった。

 

テレビ以外は見ないことにした部屋

 

 

近所の売店でいろいろ購入🎵 旅先のレシピ本を集めるのが好きなので記念に一冊。この雑誌はパイの特集。

テレビが映ったし、食料もしっかり買い込んだし、なんとか最低限の文化レベルを保つことができ安心したので、早速パリ散策その2へ出かける。

 

地下鉄は本当に暗い…しかも走り出してすぐにいきなり止まったので、隣の女性に何事か聞いてみたら誰かが線路に飛び出したとかで電車が止まったそうな。当たりはしなかったからそのうちに発車するだろうとのこと。窓の外では誰かが怒鳴ってる…。「そういうことはよくあるんですか?」って聞いてみると「起こるときは起こるし珍しくはない」と教えてくれた。「Welcome to Paris」とのこと、アハハ😅

 

夏の午後


「パリと言えばこれ」な塔を見に行く。塔はすごく立派。もう私のようなものが何をつけたそうかという程でした。

しかし立派な塔の足元では観光客を狙った詐欺師が大勢いて、私も絡まれた。見るからに必死な様子でホームレスを救うため署名してほしいと言ってくるアンケート屋。これは古典的な手法らしく国内のガイドブックでも事前に読んだ内容だったので即座に知らんぷりを決め込んでささ~っと立ち去った。親切な気持ちで署名してあげるとその隙に横からどこからともなく手が伸びてきて貴重品が持ち去られているそうですよ~。差し出されたアンケートにはすでに何人かの署名(筆跡が別人ぽい)があった。事前に仕込んだのだろうな。

エッフェル塔を見上げる
塔のディテールはこんな感じ 造りが細かい

モナリザと塔が見れたので私の中ではパリの観光ミッションは完遂。余った時間で街をぶらぶら。

 

パリの風景

パリは街並みが本当によく整理されていて、街のどこを切り取ってもパリっぽさが漂っているのがすごいな~。

公衆トイレが道路脇のあちこちにある
政府系の建物

デュケンヌ通り

子兎が走り回る庭園!

子兎が走り回る庭園があることに驚きでした。隅々までよく手入れされてる。急いで撮ったためピントが合ってないですが…奥にさらに2~3匹いました。

 

一際目立つ金ピカの建物

ここにはナポレオンの墓。奥の金ピカの建物は「アンヴァリッド廃兵院」。



軍事博物館

軍事系の建物らしく、中は軍事博物館になっていた。時代的に火薬発明後の兵器の展示なんだろうか。年代物の大砲。

大砲の弾がぶつかったあとがある砲台


ふむふむ見学するだけしてすぐに退散。フランスにとっての勝利と栄光の記憶なのかな。

おしゃれな鉄格子!

水たまりに反射したパリの空

 


異国のスーパーをぶらぶら眺めるのが大好きなのですが、パリ滞在中は楽しくて仕方なかった。ジュース類の種類がかなり豊富。

こちらは激安ジュースコーナー。「anti-inflation」。これからの日本でも同じ触れ込みが出てくるかしら…😅

 

キュウリとミントとバジルのフレーバー水


なかなか日本では見かけない組み合わせのフレーバーウォーター。これがものすごく爽やかで美味しかった。フランスっぽいセンスだと思った。脂っこい食事に合いそう。

 

モンパルナス駅周辺。もはやおなじみの小○臭。こんな街のど真ん中なのに…。だから通りのあちこちに公衆便所があるのか…とそろそろ納得してくる頃。

「MINISO」というお店、色んな意味で有名な店みたいです。8年前くらいに広州に出張で行ったことがあるのですが、当時、広州市内のあっちこちに店舗を見かけました。パリにも進出していたとは…。店内はあたかもユニ○ロ+無○良品+ダ○ソーを足して割ったかのような…いや、気のせい?!いやいやどう見ても…ねえ?

 


Denfert-Rochereau(ダンフェール=ロシュロー駅)まで来た。近くにカタコンベがあるのだけど、1日中歩き回りもはやへとへとなうえ、入場料を見て断念…。

そろそろホテルに帰ります。

短い間だったけどそれなりにパリをしっかり満喫できて満足です!

とはいえまだまだ未探検のエリアも山のようにあるパリ。次はしっかり時間を取ってがっつり見て回りたいですね。

パリのことはなんと形容すればいいんだろう? 未だに適当な表現が思いつかない。ただ今回過ごした短い間に、不愉快な目にもあったが、それと同じだけの親切も受けた気がする。パリを嫌いになる人はいないなんてどこかで読んだことがあったけど、なんとなくわかった気がした。とにかく、過ごしていて飽きないところだここは。

 

今回はこの辺で。次はなんやかんやそれなりにエンジョイしたベルギー・オランダ編です。😄 

 

 

ちょうどこの日は革命記念日。夜中まで花火の音がしていた。夜9時くらいまで夕暮れどきの明るさ。